「ジョン・ウィック-パラベラム」

映画ジョン・ウィックの3作目、『ジョン・ウィック:パラベラム』を観た。1・2があってこそだが、今回の3がやたらと好きになったので、感想を書こうと思う。

...の前に、世間の感想を調べてみた。

Amazon videoのコメント欄やネットには、『こんな格好悪いジョン・ウィックは見たくなかった』『ダサい』『ストーリー的に何をどうしたいのか分からない』など酷評も多い。


しかし。

しかしだよ。

君らは何も分かっていない....!!


どうせ、『ジョン・ウィック:パラベラム?ああ9mm弾の名前から取ったのね。ハードボイルドな感じがして響きがかっこいいもんね』くらいに思っているのだろう。

頭空っぽで見られるドンパチアメリカンヒーローのジョン・ウィックは、すでに1作目で終わっている。2作目後半以降は、観る側も頭を使わないといけない。

きっとあの映画は、銃が身近にあるアメリカ人に受けるようにだけ作られていて、日本においてはせいぜいミリオタにしか響かないのかもしれない


無知は罪ではないし、私も分野によってかなりの無知だ。ただ、無知な分野であるほど、それについて人前でジャッジするべきではない。ネットに向かって得意げに酷評を書き込んでいる日本人については、富士山麓ウイスキーの空瓶で頭を殴った上で、私がホワイトボードを使ってジョン・ウィックプレゼンをしたいくらいだ。

※富士山麓は、私が唯一本当に口に合わないと感じたウイスキー。なのでウイスキーというよりも鈍器だと思っている。好きな人がいたらごめんなさい。


ということで、ここからは私の偏食ミリオタ記事になる。興味が無い人からしたら相当気持ち悪いと思うが、ごめん。



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▼ナイフ

1・2作目では近接攻撃・所謂CQC用について使われていた刃物(主にコンバットナイフ)が、3では投擲(とうてき)武器として扱われている場面が多かった。刺す・切る・投げると、満遍なく使われている。



▼対首席連合武器:2011コンバットマスター

首席連合とコンチネンタルで戦う時に、シャロンが最初にジョンに差し出した武器だ。『2011コンバットマスターと9mmの組み合わせがオススメです』とかなんとか言っていたと思う。

なぜあえて『9mmの組み合わせ』と言ったかというと、本来はたいてい.45ACPという弾が使われるタイプの銃だからだ。

.45ACPとは、0.45インチのAutomatic Colt Pistol という意味だが、この弾は反動が比較的大きい。(...らしい。撃ったことないので知識でしか語れないが)

そこで、シャロンは9mm仕様をすすめたわけだ。9mmでは反動が抑えられ、そのため機動性が向上する。威力も本来は申し分ないはずだが、作中では敵の防弾システムを貫通できず苦戦することになる。

偏食ミリオタとしては、『へぇ~コンマス9mmかぁ~』という納得と、その後の『でも敵には通用しないか~』の流れで一喜一憂させられる。



▼対首席連合武器:アーマーピアシング装填のショットガン

最終的に持ち替えたのがショットガン。それも、装甲貫徹弾=アーマーピアシングを使用する。その弾は、威力が強いから装甲を突破できるというよりは、突破するために開発されたものだ。


ちなみに、装甲貫徹弾には徹甲弾や穿甲弾がある。

徹甲弾は,弾頭に強力な鋼が使われており、炸薬が少なく高弾速で、装甲を破った時に自爆しないようになっている。

一方、穿甲弾は作りが比較的脆く、弾速も遅めだ。装甲を破った際に、衝撃と脆い弾体により炸薬が爆発する仕組み...だったと思う。

(※こんな非公開の根暗日記を書くためにいちいち事実確認はしてないので、私の記憶違いがあったらごめんなさい)


そしてジョン・ウィックのショットガンリロードの速さたるや。あのモーションでショットガンを装填する人は、3発ずつなど一気に装填している。リロードの速さも見所だ。



▼平和を欲するなら、戦に備えよ

みたいなことをウィンストンが意味深につぶやくシーンがあったが、この言葉が何なのかを知っているかいないかで、ジョン・ウィック3への関心が全く変わる。

ドイツにDWMという武器会社がある。そこのスローガン(社訓?)が、『平和を欲するなら戦に備えよ』なのだ。この言葉は元々ラテン語のことわざだ。

そして、このDWMが開発した超有名&ド・メジャーな弾が、9mm弾。通称『9mmパラベラム』だ。パラベラムとは例のことわざから引き抜いた言葉だが、その意味は『戦の準備』。

つまり、『ジョン・ウィック:パラベラム』とは、直訳すると『ジョン・ウィック:戦闘準備』になる。タイトルの時点で3作目の内容をネタバレしているようなものだ。



▼パラベラム伏線

ジョン・ウィックがシリーズ1で使っていたP30Lも9mm弾。セカンダリー武器も9mmで、なにかと9mmに縁のあるジョン・ウィック。

そして、その9mmパラベラム弾を作った会社のスローガンでもある、パラベラムのことわざをウィンストンがつぶやいた瞬間に、ああなるほどね、と今作の主旨が見えてくる。

今作は、『逃げ回るだけでダサい主人公の回』ではない。これはパラベラム(戦闘準備)だと、タイトルでハナから言っていたではないか。

妻の記憶とととに生きるという平和を欲したジョン・ウィックが、戦に備える回なのだ。

1・2作目では狩る側だったジョンが、3作目では狩られる側になる。それはシリーズで比較してどうこうという単純な話ではなく、まさにパラベラムな生き方に焦点を当てて描いたものだと解釈する



▼ストーリー総合

頭を空っぽにして観ていたら、それは本当にダサいだけだ。ジョン・ウィックというヒーローに期待を裏切られたと感じる人もいるだろう。

しかしそれは、超人気イケメン俳優に『きっと性格も素敵でカッコイイに違いない!』とファンが勝手に作る妄想と同じだ。そして、不倫ゴシップなんかが流れた瞬間に、『幻滅した....』と言って離れる奴らとも同じだ。
自分たちが勝手にジョン・ウィックというキャラクターに妄想を肉付けをしていたのだと、気がつかなければいけない。


ジョン・ウィックをアメリカンヒーローではなく、1人の人間として見ると、ものすごくリアルに思えてこないだろうか。

後先なんて考えず、その場その場で行動して引っ掻き回し、墓穴を掘って自爆していくジョン。彼を見ていられない気持ちは大変よく分かるが、人はみな全知全能ではない。ジョンから戦闘能力を取ったらただのダメ男だという妙なリアリティが、この映画の浅はかではない所だと思う。

最愛の人がいない、生きているのが辛いだけの世界で、生き続けなければいけないとギリギリ保っている。それは、夫が生き続けることを当たり前に信じて犬を贈った妻の気持ちを裏切らないために、ジョンがのちに限界から無理やり捻り出した信念(自分に課したルール)に思える。


犬を失い、家を失い、指と指輪を失い、これで本当に“妻との記憶”だけになってしまった。

人は全てを失うと無敵になる。

現代の日本でも、無差別大量殺人を犯した人の多くは、家族も仕事もお金も無く、失うものがないために何も怖くない“無敵の人”たちだった。


私は、何もかも失ったジョンが、次回以降で“無敵の人”になるのではないかという気がしている。

もしもまだ何かを失い足りないのだとしたら、それは犬か、ジョンの記憶そのものに危機が迫るような展開もあるのかもしれない。



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平和を欲するなら、戦いに備えよ。

その言葉が、頭の悪い私の記憶にも残ってきたのは、ただのミリオタとして仕入れた情報だからではない。そのことわざに初めて出会った時、強く共感したのだ。

私は、自分が描く平和のために様々な備えをしてきた。誰が何をしかけてこようと、こちらは用意周到であるべきだ。あの言葉は、昔から座右の銘としてずっと記憶していたフレーズであり、今なお自分の生き方のスローガンになっている。

...ジョン・ウィックで聞くとは思ってなかったけれど。




最後にお小言を言いたい。

『9mmパラベラム』という言葉を、なんの意味もないただの弾の名称だと思い込んで酷評レビューを書いている人たちよ。

激辛ラーメンを注文して『このラーメン辛いんですけど?』って言うくらいのことをしていると気がついてくれ。


甘い。甘すぎる。






【New!】

 

2020.10.26

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2020.9.02

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2020.9.02

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2020.6.18

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2020.4.15

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2020.4.4

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どちらもLINKからご確認いただけます。

 

2020.4.4

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2020.3.6

プラネタリウム朗読会への出演情報、マンドリンオケへの出演情報を追加致しました。

詳細はNewsへ。

 

 

2020.1.28

新作イラスト「雪」を追加いたしました。

※デジタルイラストへ更新

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