絵と解説

新しく絵を描いた。

私がこれまで描いてきたモチーフは、緑・甲殻類・虫・雪・水・そして赤い門シリーズだ。今回のは分類は『緑』になる。

それら全てに共通して、『閉塞感が見せてくる幻覚的な空間』や、『現実逃避』のテーマがある。

私は『死』に対し、人として最後の救済であり恐怖という魅力を感じていて、死後、もしくは死に際に見る景色への理想を持っている。そんな理想を描こうとしているのだ。

こういった制作テーマは、普段人には話さない。
『私は三途の川を描こうとしています』なんて言って、お前大丈夫か?って思われるのも煩わしいし、逆に興味を持たれて詳しく説明するのも面倒くさい。私だけが持ち、一貫させていればいいテーマだ。


...と思っていたのだが、以前日記に書いたとある本とその価値観に出会ったのをきっかけに、自分のテーマをきちんと掲げるのも悪くないと、そう思えるようになってきた。


目指しているのは、写実的でありながら写真より美しく、生活感(現実感)のない絵だ。生活感というのは絵のタッチの話であって、モチーフの話ではない。例えば生活感ありありのゴミステーションを描いたとしたって、そのタッチに紙と筆を思わせる生活感を残したくない、ということだ。

私が描こうとしているのは死に際の幻覚なのだ。油絵の筆跡のような重厚感や、パステルの粉っぽさ、水彩の滲みは必要ない。


その点、デジタルイラストというのは素晴らしい。描き手がキャンバスに直接触れられないのだ。絵の具の厚みも指紋も、台紙のヨレも残らない。デジタルという手段は、実態のない幻覚を描くには相応しいと思っている。

もちろん、何より制作コスパが良い利点もあるのだが。


▼技術面解説

今回の絵では初めて、カメラとしてのフォーカスを意識した。カニや地面にピントをあわせ、手前をぼかすやり方だ。しかしやり過ぎるとあざとくなってしまうので、そこから先は全体に落ちている木漏れ日のバランスでピントを絞っていく。
(※実際にピントを絞るわけではなく、明暗の強弱によって見やすい場所と見にくい場所を作っている)

また、あえて露出(カメラ用語)が高いような、白飛びさせる表現を数点作り、絵にツヤを持たせてみた。その白飛び表現した箇所にはわずかに白のぼかしを重ねて、発光しているように見せている。
これは今までの絵でも使ってきた手法なので、特別珍しくはない。

水の色(=映り込む空の色)は、雲の輪郭を引き立てるために、かなり彩度と明度を落とした水色を使っている。爽やかな色使いに見えているかもしれないが、空の色だけピックアップするとかなり濁った水色なのが分かると思う。

葉の色は、全体で退屈にならないよう、『青っぽい緑ゾーン』と『黄色っぽい緑ゾーン』を作った。
画面下半分をラウンド状の青緑ゾーンにすることで、絵全体の比重感を下にし、安定感を出す。(空間などにおいて濃い色を下にすると見た人の心理が安定するという色彩効果がある)
そして、黄緑ゾーンをカニの周辺に配置することで、赤系統であるカニの脚との色馴染みを良くしつつ、スポットライトをあびているかのような主役感を出しておいた。



解説するような技術面の話はそれくらいだ。あとは根気。全部根気で描いた。







【New!】

 

2020.9.02

新規作成した絵を掲載いたしました。TOP画像およびGALLERYでご覧いただけます。

 

2020.9.02

演奏事業の再開・中止に関する最新情報を更新いたしました。詳細はNEWSにて。

 

2020.6.18

ORDERページ(注文参考情報)を現在非表示にしております。編集完了次第 再掲いたしますが、それまでの間につきましては料金等 直接お問合せください。

 

2020.4.15

コロナ感染拡大防止のため、4月・5月・6月の各種イベントと演奏業が中止・延期になります。NEWS

 

2020.4.4

▼食育スペシャリスト中村詩織さんに制作のご依頼をいただいたLINEスタンプが販売開始いたしました!

▼イラストメイキング動画のYouYubeリンクを追加いたしました!

どちらもLINKからご確認いただけます。

 

2020.4.4

コロナ感染拡大防止のため、4月に予定しておりました各種イベントを中止・延期とし、該当宣伝ページを削除いたしました。騒動が収束次第、改めて設定と告知をいたします。NEWSに掲載中のイベントは現在のところ開催予定となっております。

 

2020.3.6

プラネタリウム朗読会への出演情報、マンドリンオケへの出演情報を追加致しました。

詳細はNewsへ。

 

 

2020.1.28

新作イラスト「雪」を追加いたしました。

※デジタルイラストへ更新

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