皮を被った肉塊

食べないだけで、人間はみんな肉だ。

豚と人間の臓器は似ていると聞く。食べるだでなく、人間のドナーとして当たり前になる日もいつか来ると言われるほどに。


私は昔、アルバイトで食肉の解体(屠殺ではない)をしていた。何分割かにされた豚の胴体から気管を切り出したり、臓物をホルモンとして売りに出せるよう下処理する仕事だ。人間も同じように皮を剥いで解体すれば、その光景は豚と大差がないはずなのに、作業台の上にあるのが豚であるという事実だけで何の抵抗もなく捌ける自分が不思議だった。

どうして豚の解体はできて、人はできない(やりたくない)のだろうと考えたりもした。同じ種族の体をバラすとなれば、感情移入して手が止まったりするのだろうか。

豚と一緒に屠殺場のレーンに人間を吊るして流す景色を想像してみると、人はより『肉』に見えてくる。愛しさなど感じない。いつかある牧師が『豚は神が人に与えた動くタンパク質だ』と言っていたが、人だって動くタンパク質だ。

それでも、人をただの肉だと思って解体することは、たぶん私にはできない。皮が剥いであればできるかもしれないが、きれいな状態だったらやりにくいだろう。


なんとか豚と同じレベルの感覚で人間のことをただの肉だとする感覚が得られないか試行錯誤してみたが、自分に課した『人を屠殺できるか』という最後の問に、はいと答えられるところまでは辿り着けなかった。



人間は誰しも、見たら引いてしまうような大量の血と臓器を持った肉でありながら、お互いにそれを隠す皮膚というパッケージに翻弄され、恋をしたり愛することをしたり、魅力や美しさを感じたりする。

時々それが、ものすごく不思議に思える。


私は猫が好きだが、その猫だって皮を剥げばただの肉塊で、可愛いとは思わないだろう。夫だって全身の皮が剥がされていたら誰だか分からないと思う。

では私が愛しているものとは、皮なのだろうか。




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2020.6.18

ORDERページ(注文参考情報)を一時的に非表示にしております。編集完了次第 再掲いたしますが、それまでの間につきましては料金等 直接お問合せください。

 

2020.4.15

コロナ感染拡大防止のため、4月・5月・6月の各種イベントと演奏業が中止・延期になります。NEWS

 

2020.4.4

▼食育スペシャリスト中村詩織さんに制作のご依頼をいただいたLINEスタンプが販売開始いたしました!

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どちらもLINKからご確認いただけます。

 

2020.4.4

コロナ感染拡大防止のため、4月に予定しておりました各種イベントを中止・延期とし、該当宣伝ページを削除いたしました。騒動が収束次第、改めて設定と告知をいたします。NEWSに掲載中のイベントは現在のところ開催予定となっております。

 

2020.3.6

プラネタリウム朗読会への出演情報、マンドリンオケへの出演情報を追加致しました。

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2020.1.28

新作イラスト「雪」を追加いたしました。

※デジタルイラストへ更新

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