トマトジュースと小麦粉生活

チヂミを焼きながらテレビをつけた。

たまたまつけた番組では、コロナの影響で収入が落ち、明日食べるものにも困っている人がいるという話をしていた。

取材された当事者は、『朝は食べない。昼はカップ麺とかお菓子、夜は半額になっている200円くらいのお弁当を食べる』と言っていた。

それがギリギリであるような物言いだが、カップ麺や200円のお弁当など、お金がない状況では高級品だ。収入が無いのにそんなものを食べていたら赤字になるに決まっている。


ふと、焼きあがったばかりのチヂミに目を落とした。
どういうことなのだろう、このチヂミの方がずっと貧相じゃないか。粉を水でといて焼いただけだし、具だってニラがなかったので薬味ネギしか入ってない。お金に困っているわけでもないのに、小麦粉の塊を好き好んで食べている私は一体なんなんだ。彼らはお金に困っていながら毎日弁当を買っているというのか...。

自分の食の水準の低さにこっそりショックを受けた。


外食でいただく美味しいご飯は大好きだし、誰かが食べるためなら手の込んだ食事も作る。料理も人並みに得意だ。しかし一方で、自分のご飯となれば質を投げ出してしまう。

自分のためだけにお金をかけることに抵抗があるため、一人の時はたいてい小麦粉と水を混ぜたものを焼いている。もしくは、トマトジュースや牛乳など飲み物しか口にしない。

別にダイエットに励んでいるわけではなく、かつての家出放浪中にほとんど食べない日々を送っていたら、その食生活に体質の方が歩み寄ってしまっただけだ。以来、1日3食も食べたり、自分ひとりだけでちゃんとした食事をとると胃が重いうえに後悔と罪悪感に苛まれるようにもなった。

放浪当時は、『人は水だけ飲んでいれば3週間は生きられるのだから、1日に1つなにか口にしていれば死ぬことは無い』という判断のもとに生活していた。イエスの血がワインなら私の血はトマトジュースだと思うほど、トマトジュースには大変お世話になった。あれは食欲を刺激するほど美味しいわけでもなく、質感がもったりしているため空腹を紛らわすのには最適だった。
仕事はしていたし週払いの収入もあったが、お金のほとんどは部屋を借りるために貯めていた。職場のお客様からいただくビールでも空腹感を凌げたのは幸運だった。

...書いていて気がついたが、もしかして自分がレッドアイばかり飲むのはその時の名残りなのだろうか...。



あの頃はトマトジュースで生き、今はトマトジュースと小麦粉で生活をしている。(家に一人の時だけ)

小麦粉まであって調理ができる環境なんてかなり幸せだと思っていたが、例の番組を見てつい『カップ麺?お弁当?かなりしっかりお金をかけて栄養あるものを食べてるじゃないか』と驚いてしまった。


人が食に求める水準って、わからないものだ。


【New!】

 

2020.10.26

ORDERページを再掲載いたしました。

ご発注・ご依頼の参考にしていただけます。

 

2020.9.02

新規作成した絵を掲載いたしました。TOP画像およびGALLERYでご覧いただけます。

 

2020.9.02

演奏事業の再開・中止に関する最新情報を更新いたしました。詳細はNEWSにて。

 

2020.6.18

ORDERページ(注文参考情報)を現在非表示にしております。編集完了次第 再掲いたしますが、それまでの間につきましては料金等 直接お問合せください。

 

2020.4.15

コロナ感染拡大防止のため、4月・5月・6月の各種イベントと演奏業が中止・延期になります。NEWS

 

2020.4.4

▼食育スペシャリスト中村詩織さんに制作のご依頼をいただいたLINEスタンプが販売開始いたしました!

▼イラストメイキング動画のYouYubeリンクを追加いたしました!

どちらもLINKからご確認いただけます。

 

2020.4.4

コロナ感染拡大防止のため、4月に予定しておりました各種イベントを中止・延期とし、該当宣伝ページを削除いたしました。騒動が収束次第、改めて設定と告知をいたします。NEWSに掲載中のイベントは現在のところ開催予定となっております。

 

2020.3.6

プラネタリウム朗読会への出演情報、マンドリンオケへの出演情報を追加致しました。

詳細はNewsへ。

 

 

2020.1.28

新作イラスト「雪」を追加いたしました。

※デジタルイラストへ更新

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